今回は「タクシー車両は軽でも良いのか?」を書こうと思います。
とりま、軽自動車のタクシーって見た事有ります?現在はジャパンタクシー全盛の時代ですが、プリウスやカローラ、以前はコンフォートやクラウンあたりが定番でしたが、「軽自動車でタクシーってアリなの?」と思ったことはありませんか?・・・・知らんけど(笑)
【タクシー車両の構造要件が緩和された背景】
まず、2015年までは「タクシー車両には構造的な要件」が厳しく定められていました。
具体的には、①座席の寸法、②通路の幅と高さ、③乗降口の大きさ・構造、④座席の緩衝装置や振動など、こうした細かい基準があったのです。
しかし「タクシー車両の基準緩和」により、これらの制限は撤廃され、これによって、事業者が自由に車両を選べるようになりました。
たとえば、初代トヨタ・マークXはドアの開口面積が基準に足りず、当時はタクシー登録ができませんでしたが、規制緩和後は問題なく使用できるようになっています。
【とはいえなんでもOKではない】
ただし、「好きな車なら何でもOK」というわけではありません。
道路運送車両法や国土交通省の基準により、タクシーとして使える車両には最低限の条件があります。
道路運送車両法第40条ではこう定められています。
「自動車は、その構造が保安上・公害防止上・環境保全上の技術基準に適合しなければ運行してはならない。」
つまり、「好きに選んでいい」とは言っても、ちゃんと国が定めたルールの範囲内で、ということです。
【普通車タクシーに求められる一般的な条件】
地域によって多少異なりますが、普通車タクシーの場合は概ね以下のような基準があります。
- 全長:4.3m以上
- 全幅:1.7m以上
- 排気量:内燃機関ならおおむね1,500cc以上(ハイブリッド・EVは別途考慮)
- 乗車定員:乗務員を除き4~5名
- トランク容量:スーツケースなどを収納できるスペースがあること
これらを満たしていれば、基本的にタクシー車両として使用可能です。
【車両区分の変化と軽タクシーの存在】
タクシーの車種区分は「小型」・「中型」・「大型」・「特定大型(ジャンボ)」などに分けられていますが、最近では「小型」と「中型」をまとめて普通車とする地域が増えています。
特に東京などの大都市圏では、この「普通車」区分が主流です。
一方で、660cc以下の軽自動車タクシーという存在もあり、都市部では見かけることは少ないですが、地方の過疎地などでは導入例が見られます。
【「軽タクシーは安全基準を満たさない」は誤解】
「軽自動車のタクシーが存在しないのは、安全基準を満たしていないから」、そんな説明をしているサイトを見かけますが、これは誤りです。
実際、山梨県甲州市の富士急グループ「甲州タクシー」では、日産のEV軽自動車「サクラ」を2台導入し、2023年11月から運行を開始しています。
さらに、京都の「都タクシー」、「KM」、「第一交通」の3社も同じく軽EV「サクラ」を導入していて、つまり、「軽は安全基準に適合しないから使えない」という話は成り立ちません。
そもそも、介護タクシーや福祉タクシーでは軽自動車が多く使われているので、構造的に問題があれば、そもそもこれらの業態で使用できないはずです。
【ネット情報は玉石混交】
ネット上の情報は、正しいものもあれば、かなり怪しいものもあります。
なので、「軽のタクシーは無理」と断言している記事は、話半分で読んだ方がいいかもしれませんね。(^_-)-🙂

