今回は「名古屋のMKタクシー、運賃改定で加算距離単位変更で加算運賃143ⅿ毎50円がなぜ「247m・100円」に?」を書こうと思います。
とりま、名古屋のMKタクシーが、2024年の運賃改定で「下限運賃=旧D運賃」を見直しまた。
旧運賃では「1.011km/470円+加算運賃が143mごとに50円」だったのに対し、
新運賃は「0.91km/470円+247mごとに100円」へと変更されました。
ぱっと見では「初乗り距離が短くなった」、「加算距離が長くなった」ように見えますが、しかし、実際の走行距離別料金を見ると、この改定は単純な値上げ・値下げではなく、制度的背景と運用上の狙いがある様です。
【距離別料金比較表】
| 走行距離 | 旧運賃(1.011km+143m/50円) | 新運賃(0.91km+247m/100円) | 差額 |
| 1.0km | 470円 | 470円 | ±0円 |
| 2.0km | 820円 | 870円 | +50円 |
| 3.0km | 1,170円 | 1,170円 | ±0円 |
| 4.0km | 1,520円 | 1,470円 | −50円 |
| 5.0km | 1,870円 | 1,770円 | −100円 |
| 6.0km | 2,220円 | 2,070円 | −150円 |
| 7.0km | 2,570円 | 2,370円 | −200円 |
| 8.0km | 2,920円 | 2,670円 | −250円 |
| 9.0km | 3,270円 | 2,970円 | −300円 |
| 10.0km | 3,620円 | 3,270円 | −350円 |
※実測換算による概算です。
【分析すると】
👀 一見「初乗り短縮」で近距離値上げに見えますが、中距離〜長距離ではむしろ旧運賃より安くなる構造になっています。
旧来の「143mで50円」は加算頻度が多くなるので、メーターが頻繁に上がる煩わしさがありました。一方、新しい「247m・100円」制では、加算間隔を伸ばす代わりに単価を上げているので、これにより、長距離の割高感を抑え、短距離でわずかに補うバランス設計になっているように見えます。
【制度的背景】
この変更の背後には、国土交通省が2023年度以降に導入した「新・地域別運賃制度」がある様です。
ここでは、従来の「50円刻み」から「100円刻み」への移行が全国的に進められていて、電子決済端末・キャッシュレス処理との整合を取る狙いがある様です。
つまり、・・・・・「50円刻み」=旧制度、「100円刻み」=新制度の標準という構図になっています。
MKがあえて「100円刻み」を選んだのは、制度順守に加えて、電子決済との誤差や端数トラブルを避けるためでもある様です。
【視点】
実は、この「加算距離247m」という設定は、単なる四捨五入ではなく、旧運賃の距離単価をできるだけ近づけつつ、認可された下限運賃の範囲に収まるように「逆算」した数値の様です。
つまり、MK側としては「最低運賃ラインを保ちながら制度統一を果たした」わけで、これ以上安くすれば認可が通らず、これ以上高くすれば「下限運賃」ではなくなる」要はそのギリギリの設定で、法的・運用的な均衡点を狙っている事になります。
【利用者への影響】
- 短距離(1〜2km):やや値上げ(+50円程度)
- 中距離(3〜5km):ほぼ変わらず
- 長距離(6km以上):最大−350円ほど安くなる
要するに、「チョイ乗り派に少し厳しく」、「長距離利用者に優しい」料金体系という事になります。
配車アプリ経由や空港・新幹線駅送迎を想定した、中長距離フレンドリー型運賃とも言えるかも?‥‥・知らんけど(笑)。
【纏めると】
| 観点 | 内容 |
| 変更理由 | 国交省の新制度(100円単位化)への対応 |
| 目的 | 電子決済対応・制度整合・加算頻度の抑制 |
| 影響 | 短距離+50円前後、長距離−300円前後 |
| 評価 | 値上げではなく「設計の再整理」に近い |
【後記】
【この手の運賃改定は、どうしても「値上げ」&「複雑化」と見られがちですが、実際は「制度とテクノロジーの歩調合わせ」です。
電子決済が標準化した今、100円単位への統一は避けられない流れなので、そして、MKは他社に先駆けてその最適値を探った形になる様です。
結果的に、メーターの頻繁なメーターの「ピコピコ感」が減り、心理的なストレスは軽くります。運賃改定というより、むしろ「体感改良」の一種といえるではないでしょうか?…知らんけど(笑)

