「配車依頼率」と「配車アプリ利用率」

配車アプリ

今回は「配車依頼率」と「配車アプリ利用率」を書こうと思います。

とりま、最近では、タクシーを呼ぶときに「アプリ一択」という人もいれば、「いやいや、道で手を上げるのが一番早い」という人もいます。便利になったとはいえ、乗務員にはまだまだ「流し派」も健在です。そんな配車アプリですが、調査を見ると「配車アプリの利用率」はまちまちで、どの数字を信じればいいのか分からないのが実情です。(苦笑)

今回は、その「配車アプリ利用率」と「配車依頼率」について、各機関の調査結果を比較しながら見てみたいと思います。

【タクシーの呼び方はいろいろあります】


まず、配車アプリ利用率とは、タクシーに乗るときに「アプリを使って呼ぶ人」の割合を指します。
タクシーの呼び方には、ざっくり分けて「流しのタクシーを拾う」、「無線で呼ぶ」、「タクシー乗り場で乗る」、「付け待ちのタクシーから乗る」、「配車アプリで呼ぶ」などがあります。
このうち、「配車アプリで呼ぶ」人の割合が所謂「配車アプリ利用率」というわけです。

【数字で見る配車アプリ利用率】

少し古いデータですがICT総研が2024年4月に行ったWebアンケートによると、配車アプリの利用率は20.4%でした。
ただし、この調査は母数は4,355人ですが、対象年齢や地域が明記されておらず、少し信頼性に欠ける印象もあります。

一方で、同じく2024年に首都圏在住の20〜60代を対象に行われた別の調査では、
1位が「アプリで予約・呼ぶ」40.6%。
2位が「流しを捕まえる」26.0%。
3位が「タクシー乗り場で乗る」16.4%という結果になったそうで、この結果を見る限り、少なくとも首都圏ではアプリ配車が主流になりつつあるようです。

この調査も詳細は首都圏って事の20〜60代を対象に行われた調査としか分からないので、母数も調査方法も分からないので、若干心もとないのですが、なんとなく首都圏ではアプリでタクシ-を呼ぶ人が多いって事は分かる様な気がします。・・・知らんけど(笑)

【さらに別のデータでは・・・】


2024年12月、交運労協が行った「タクシーとライドシェアに関する意識調査」では、月に1回以上タクシーを利用する人のうち57.6%が配車アプリを使っているという結果が出ています。
対象は、首都圏に住む20〜60代の男女1,053名だった様です。

ここで気になるのは「首都圏」の範囲です。法律上は東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨の1都7県ですが、一般的には「東京・神奈川・千葉・埼玉」の1都3県を指すことが多いで様なので、首都圏と言ってもどちらを意味しているかで、結果の印象も大きく変わるかもしれません。

【7.5%から57.6%まで・・・・この差は何?】


交運労協では57.6%、ICT総研では20.4%、さらに政府系のJ-Net21が2023年に実施した調査では、「配車アプリを使ってタクシーを呼ぶ人」はわずか7.5%(n=1000)だった様で、見事にバラバラです。(苦笑)
7.5%から57.6%までの差は?で、これでは、いったいどの数字が「実態」なのか分かりません。

【利用率という言葉の曖昧さ】

そもそも「利用率」という言葉そのものが曖昧です。普段は流しで乗る人が、月に1回だけアプリで呼んだとしても「アプリ利用者」に含めるのか?、要は調査ごとに定義が異なるため、数字のバラつきが出るのは当然とも言えます。

【国交省の調査が一番リアル?】

比較的信頼できそうなのが、国交省の「タクシー及び日本版ライドシェアにおける運賃・料金の多様化に関する検討会」の資料です。
この調査はアンケートではなく、実際にタクシー事業者へヒアリングしたものです。

東京特別区・武三地区では、

  • アプリ配車:23.4%
  • 流し:70.2%
  • 無線配車:残りの数%
    という内訳になっています。
    現場の実績に基づいたデータなので、最も現実的な数字と言えるでしょう。

【1出番あたりアプリ配車は約6回】

同地区における2024年9月の平均乗車回数は25.3回、これにアプリ配車率23.4%を掛けると、約6回になります。
つまり、1出番につきおよそ6回がアプリ経由の配車という計算です。ですが乗車回数が30回に増えるとアプリ配車回数は7回になり、35回では8回になります。要は乗車回数が5回増えるごとにアプリ配車が1回増える事になります。

【体感とのズレも?】 
ただ、この「6回」という数字、現場の感覚と一致するかは疑問で、地方の乗務員にとっては「そんなにアプリ来るの?」と思うかもしれませんが、東京や大阪の乗務員に聞けば「いや、1日10件以上アプリが落ちるよ」という声も有るそうです。

なので、1乗務で乗せる回数が多くなる程アプリ配車回数も多くなります。まあ、平均のアプリ配車回数が首都圏で6回は正しいかは・・・・知らんけど(笑)😉(^_-)-☆