今回は「優良」だらけのタクシー業界・・・・それって誰が決めた優良っすか?(笑)」を書こうと思います。
とりま、街を歩いていると、タクシーの窓・屋根・社内に「優良」の文字が掲げられているのを目にします。(苦笑)
優良運転者、優良事業者、優良タクシー・・・・・これだけ見ると、「さぞかし素晴らしい乗務員や会社なんだろうな~」と思ってしまいます。
でも、ちょっと待ってください。
この「優良」、いったい誰が、どんな基準で、どうやって決めているのでしょうか?
【優良運転者という称号の中身】
乗務員に与えられる「優良運転者」の認定には、「一定期間事故や違反がない」、「無遅刻・無欠勤」、「接客態度が良好」などの条件があります。
表面的には納得できそうですが、実際にはどれも曖昧で具体性に欠けます。
- 「一定期間」とは何年? 2年? 3年? 評価者によってバラバラです。
- 「接客態度が良好」とは? 客から苦情がなければOK、という消極的評価で済むこともあります。
- 誰が評価するかも曖昧で、上司が「問題なさそう」と思っただけで推薦されることも。
つまり、本当に優れている人ではなく、無難に目立たず過ごした人が優良とされているケースも多いのです。
【優良事業者の99%が優良という現実】
会社側に与えられる「優良事業者」も、実は同じ構図です。
国土交通省の基準に基づき、車両の整備状況や労務管理、苦情対応などがチェックされ、一定の要件を満たせば認定されます。
- 基本は「減点方式」
→ 違法行為や重大な行政処分がなければ優良。 - 加点制度もある
→ 高度な接遇研修や安全装備導入など、任意の取り組みでアピール可能。
しかし、加点がなくても減点されなければ「優良」認定されるため、努力している会社も最低限守っている会社も同じレベル。(苦笑)
横浜・桜木町のタクシー乗り場では、以前「一般」と「優良」に分かれていましたが、優良ばかりで一般乗り場は廃止されてしまったほどです(笑)。
【優良運転者の勤続表彰がもたらす違和感】
「優良運転者」の表彰は5年、10年、20年、30年、40年勤続まで幅広く行われています。
長年無事故・無違反で勤続してきたこと自体は素晴らしいのですが、ここでいう「優良」も、実質的にはトラブルなく続けたことの評価に過ぎません。
つまり、「辞めずにいたこと」、「目立たなかったこと」が最大の評価基準になることもあるのです。
毎年ルーティンで行われる表彰制度では、本当に優れたサービス提供者よりも、波風立てず勤続した人が前に出てしまう逆転現象も起きかねません。
【優良という言葉の安売り】
本来「優良」とは、「他と比べて特に優れている」ことを示すはずですが、しかしタクシー業界では、基準さえ満たせば誰でも名乗れるラベルに変質しています。
- 大きな問題を起こさなかった
- 必要な書類をきちんと提出した
これだけで「優良」と呼ばれてしまう現状で、利用者にとっての優良の基準は実際に乗ってみての体験こそが信頼できる基準です。
どれだけ「優良」と掲げていても、車内が不衛生だったり道に不案内だったりすれば、一瞬でラベルの信頼性は崩れます。
【纏めると】
タクシー業界には「優良」という言葉があふれていますが、しかしその多くは、評価の厳しさや特別な称号というより、「問題なさそうならとりあえず付けるラベル」に過ぎません。
本当に信頼されるタクシーは、肩書きやラベルではなく、運転と接客で証明してくれるもののはずです。
これからの業界には、「本物の優良」が見える仕組みが求められているのではないでしょうか? …知らんけど(笑)。