今回は「さよなら50cc原付」を書こうと思おいます。
とりま、ご存じの方も多いと思いますが、今年の10がつ31日をもって国内主要メーカが従来の50㏄原付の新車の生産を終了しました。
それに代わって登場するのが「新規準原付」です。従来は原付には原付免許で運転ができる「原付1種」の所謂「原チャリ」と、「原付2種」が有りました。
原チャリはナンバープレートが白、原付2種は黄又はピンクになります。原付は昔から街の足として親しまれてきましたが、排ガス規制強化や技術的制約によって、大きな転換期を迎えました。
【従来の50cc原付とは?】
従来の原付は、総排気量50cc以下のエンジンで動く前記記載の原付一種の事です。
- 法律上の制限:最高速度30km/h、二段階右折、二人乗り禁止
- 車検なし、維持費安い
- 価格帯10〜25万円前後で入手しやすい
手軽さがメリットですが、低排気量ゆえ排ガス対策が難しいという課題も抱えていました。要は、排ガスをなるべくクリーンな物にする規制が「排ガス規制」になり、その規制をパスする為には「触媒」が必要で、その触媒で排ガスを綺麗にする触媒は、一般的に 250〜400℃程度 に達しないと効果が出ないそうです。
これを 触媒活性温度と言うそうで、原チャリではエンジンが小さいので触媒をその触媒活性温度まで技術的には可能の様ですが・・・・・採算が合わにそうです。(苦笑)
【転機となった「第4次排ガス規制」】
2025年11月施行の新排出ガス規制により、前記した様に50cc原付では排ガス浄化用触媒の活性温度(約250〜400℃)を維持しにくくなりました。
- 原付は低負荷走行が多く排気温が上がりにくい
- 発進・停止を繰り返す市街地メイン
- 技術的には可能だが、コストが高く車両価格を維持できない
結果として、50cc原付の新車生産は難しくなっています。
【新基準原付とは】
新基準原付は、125ccまで排気量を上げつつ、最高出力を4.0kW以下に制御した車両です。125cに排気量を上げると、排ガス浄化用触媒の活性温度が上がるそうです。
・・・・125㏄にした結果
- 排気量増 → 排気温上昇 → 触媒活性化が容易
- 出力制御 → 原付らしい扱いやすさ維持
- 量産モデル流用 → 開発コスト抑制
となるそうです。
【原付一種・新基準原付・原付二種の比較】
| 項目 | 従来原付一種(50cc) | 新基準原付(125cc・4kW以下) | 原付二種(51〜125cc) |
| 排気量 | 50cc以下 | 125cc以下 | 51〜125cc |
| 最高出力 | 実質50cc相当 | 4.0kW(5.4PS)以下に制御 | 制限なし(車両ごと) |
| 法定速度 | 30km/h制限 | 原付一種扱い(30km/h規制) | 60km/h規制(道路により) |
| 二人乗り | 禁止 | 禁止 | 可(車両・免許条件による) |
| 二段階右折 | 必須 | 必須 | 不要 |
| 車検 | 不要 | 不要 | 不要(小型二輪は不要) |
| 税金・保険 | 安い | 安い(原付扱い) | 高め(排気量による) |
| 排ガス対策 | 高コスト・困難 | 容易(125ccベースで対応) | 標準技術で対応可能 |
| 免許 | 原付免許 | 原付免許 | 小型限定普通二輪/普通二輪免許 |
【纏めると】
50cc原付は「排気ガス規制+採算」の壁で新車生産が困難
- 新基準原付は「125ccで出力を抑える」ことで原付免許で運転可能に
- 原付二種は、免許や速度など制約が緩く、より高速で走行可能だが原付免許では乗れない
つまり、新基準原付は「原付の手軽さ」を維持しつつ、規制をクリアするための現実的な解決策と言える様です。😊👌
