今回は「営収の平均値は本当に当てになるのか?・・・タクシー会社の「平均営収」とは?」を書こうと思います。
とりま、タクシー会社の求人や面接で、よく耳にする言葉があります。その言葉は・・・「うちの会社は平均営収が〇〇円です」や「他社より平均給与が高いですよ〜」です(苦笑)
一見、それを聞くと初めてタクシーに乗る人は「じゃあ、このタクシー会社は稼げんじゃネ?🙂」と思ってしまいがちですが、実はこの 「平均」 という数字には落とし穴 があります。
しかし、この “平均” という数字をそのまま信用すると、入社後に「あれ?話と違うんじゃネ?」となることが少なくありません。なぜなら、タクシー業界では「平均より少ない人の方が多い」という状況が 普通に起きている からです。
タクシーの世界では、乗務員一人ひとりの勤務状況や働き方が全く違うため、平均営収だけでは実態を判断できません。(苦笑)
今回は、その理由を考えたいと思います。
【平均は「一部の高営収者」に引っ張られる】
昔から言われていますが、労働者の年収は正しく均等に分布していません。要は、左にずれた正規分布曲線になります。
特に「稼ぐ人」と「ほどほどでいい人」の差が大きい業界ほど、その偏りは顕著です。
タクシー業界も例外ではなく、「営収が高い少数の人が平均値を引き上げてしまう」という現象が起こります。なので曲線の山が左側にずれた曲線になります。
【実際の数値で見てみる】
例えば、あるタクシー会社に次のような乗務員がいたとします。
| 日車営収 | 人数 |
| 40,000円 | 10人 |
| 50,000円 | 60人 |
| 60,000円 | 20人 |
| 80,000円 | 12人 |
| 100,000円 | 9人 |
| 120,000円 | 3人 |
この場合の 平均日車営収 は 約 59,825円・・・・つまり 約6万円 です。
一見、悪くない数字に見えます。(苦笑)・・・しかし、ここが重要で、4〜5万円台の人が全体の61%を占めています。つまり、この会社の6割以上は 「平均より低い」 人たちなのです。😱
なので平均という数字は、120,000円や100,000円レベルで頑張っている一部の乗務員によって引き上げられているだけ ということになります。(苦笑)🤷♀️
【平均よりも重要なのは「最頻値」と「層」】
統計には平均値のほかに以下で示す値が有ります。
- 中央値 … 真ん中の値
- 最頻値 … 一番多い人数が該当する値
がありますが、タクシー会社を見るときに一番役に立つのは 「最頻値」 です。
上の例では 最頻値は 50,000円 です。つまり、この会社で「現実的に落ち着く営収」は5万円台
(平均6万だけどネ、という話)ということになります。
【平均営収が高い=全員稼げる とは限らない理由】
・ガッツリ稼ぎたい「頑張り屋さん」
・ほどほどでいい「マイペース層さん」
・年金受給者やダブルワーク型
乗務員の構成比が違うだけで、平均営収は大きく変わります。
つまり会社選びで大事なのは、「どんな人が多い会社なのか?」・・・ここです。
【纏めると】
面接で言われがちです。・・・・「うちは平均営収〇〇円あります!」・・・・はい、そのまま信じない方がいいです。(笑)
平均は外れ値に引っ張られるので、実態を見るなら、
- 最頻値(実際に一番多い営収)
- 乗務員の属性と働き方のバランス
この2つを確認することが大切だと思いますが?

