今回は「なぜ技術最強のDeNAが旧ジャパンタクシーと組んだのか?」を書こうと思います。
とりま、表向きは「タクシー業界のDX」だとか「未来の移動をつくる」といったキレイな言葉が並ぶGO株式会社の誕生。しかし舞台裏をよく見ると、どう考えても“技術力最強のDeNA”が、あえて“業界のど真ん中にいる旧ジャパンタクシー(日本交通)”と組まざるを得なかったという、少し切ない現実が垣間見えます。
モブは当時すでに全国のタクシー会社と提携を広げていて、アプリ技術も位置情報もUIもDeNAが圧倒的に強く、それでも「GO」という新会社が必要になった理由とは?・・・・
【モブの技術は強かった。しかし技術だけではジャパンタクシーに勝てなかった】
DeNAといえば、ソフトウェア・データ解析・アプリ開発、どれを取っても日本有数の技術企業です。タクシー配車アプリの「MOV」も、UI/UX、位置情報の精度、使いやすさで高い評価を得ていました。
つまり、“技術だけ”で見れば、旧ジャパンタクシーより何枚も上・・・・しかし、タクシー業界は技術で勝てる市場ではありません(苦笑)。🤷♀️ここがタクシー市場の唯一にして最大の論点です。
どれだけアプリの阿世のが良くても、「使える車両がなければ、配車アプリはただのデジタル地蔵」
です。とここまでモブの事を持ち上げて言うのもなんですが、当初のモブの配車はガバガバで草アプリでした。😱
【技術 vs 車両網・・・・結果、勝ったのはどっち?】
結論を言えば、タクシー業界で最強なのは技術ではなく、車両を動かす権利です。旧ジャパンタクシーは日本交通グループなので、つまり東京最大級の車両網、そして全国の老舗タクシー会社との強固なネットワークを持っています。要は、タクシー業界の既得権益の中心とも言える立場です。
DeNAが技術で扉を叩いても、「俺たちの業界には俺たちのルールがある」とでも言わんばかりに、ドアは半開きのままで草。🤷♀️
皮肉にも、技術よりも“業界のしがらみ”の方が強かったのです。
【MOVは提携が進んでいたという事実の裏側】
ユーザーからすれば、MOVは普通にタクシーが呼べました。地方にも提携タクシーが増え、順調に広がっているようにも見えました。しかし、ここにも現実があります。
● MOVの提携は
- 1社1社の地道な訪問営業
- 日本交通や大手タクシーグループの縄張りを避けながら地味に拡大
- 業界側から見ればDeNAのMOVは「外様」
つまり、DeNAは技術が強いのに、業界の地固めでは圧倒的に不利だったのです。
全国の車両網は“あるように見えた”だけで、業界の深い部分まで浸透していたわけではありません。
【結局、勝ったのはアプリの性能ではなく業界の力学】
本来なら、アプリの性能で勝負するべき市場です。しかしタクシー業界では、良いアプリ = 勝てない
車両を握る = 勝てるという、逆転現象が起きます。
その結果・・・・技術力ではDeNAが勝つがしかし業界支配力では旧ジャパンタクシーが勝つという力のねじれが発生し、合併は半ば必然となりました。
【GOは業界の都合と技術の都合のハイブリッド】
GOの誕生は、「業界の力学に逆らっても勝てない。ならば、最初から仲間になるしかない。」と言っているかのようです。
技術はDeNA、業界の影響力は日本交通、その合わせ技で生まれたのがGOで草
皮肉にも、日本の配車アプリ市場は技術で点数を付ける競技ではなく、どれだけタクシーの様な既存業界に受け入れられるかの競技だったということを証明した形になりました。
【技術だけで勝てるなら、日本はもっと変わっていた・・・・かも?】
タクシーの様なモビリティの世界では、本来なら革新的な技術が主役になるべきですが、しかし今の日本では、技術よりも既存の業界構造が勝ってしまいます。(苦笑)
DeNAが旧ジャパンタクシーと組んだ理由は至ってシンプルで、タクシー業界は、技術だけでは崩れない壁を持っていたからです。
GOはその壁を突破するための、MOVとジャパンタクシーの妥協の産物であり、同時に最強の組み合わせでもあります。(苦笑)
日本のDXの進み方を象徴する、少し皮肉なお話でした。(@_@)😱🚕

