GOのピークタイム・オフピーク配車と日本のダイナミックプライシング事情

タクシー料金

今回は「GOのピークタイム・オフピーク配車と日本のダイナミックプライシング事情」を書こうと思います。

とりま、2025年10月15日にGOから「2025年11月4日(火)から東京特別区・武三地区でピークチャージ」、「オフピーク割」を新たに設定するそうです。GOアプリで始まったピークタイム/オフピーク割引を見て、ネットやSNSでは「日本でもダイナミックプライシングが始まったんじゃネ」と書かれていることがあります(苦笑)。しかし、実際のところ、日本の現行制度では海外のUberのような本格的なダイナミックプライシングは存在せず、GOの今回のピークタイム/オフピーク割引制度も厳密には違います。🙂

【そもそもダイナミックプライシングとは?】

ダイナミックプライシングとは、需要と供給のバランスに応じて料金がリアルタイムで変動する仕組みのことです。

海外のUberでは、雨やイベント、渋滞で客が殺到すると料金が1.5倍〜3倍になることもあり、又利用者は「今このタイミングで乗ると料金が変わる」ということを、アプリで瞬時に確認できます。要するに、「需要に応じて乗車料金が生き物のように動く制度」です。(笑)

【日本では本格的なダイナミックプライシングはまだ無理】

残念ながら、日本の法律(道路運送法)ではタクシーの運賃は国の認可が必要で、自由にリアルタイム変動させることはできません。

なので、ネットで「通常運賃の±50%の範囲で変動可能」と書かれている情報がありますが、これは国交省の将来の制度検討案の話です。(苦笑)

って事は、現行法ではリアルタイムで変動させることはできず合法的には不可能で、つまり、日本ではまだ海外型のダイナミックプライシングは導入されていないのが現実です。

【GOのピークタイム/オフピーク割引はダイナミックプライシングの「ライト版」(笑)】

では、GOの新制度はどうかと言うと、GOでは、朝夕の混雑時間帯や空き時間に応じて事前に設定された料金変動(+100円、−50円など)が行われます。

これは「需給に応じて料金が変わる」という意味ではダイナミックプライシングに似ていますが、リアルタイムで自由に変動するわけではありません

では、料金変動(+100円、−50円など)は合法か?と言う問題が有りますが、GOのピーク・オフピーク料金は、アプリや公式サイトで明示され、利用者に事前通知されて、GOのピーク・オフピーク料金は事前確定料金なので国交省も認可します。

要するに、法律に合わせて「事前設定型のライト版ダイナミックプライシング」を作った、ということになります。

【纏めると、日本はまだ「本物のダイナミックプライシング未導入」です】

海外ではUberなどがリアルタイム需給連動型で料金変動しますが、日本では現行法でリアルタイム変動は不可で、GOのピーク・オフピーク制度は「事前設定型ライト版」で、あくまで法制度に合わせた形で、将来的には国交省の検討案に沿って、柔軟な運賃設定(±50%など)が可能になるかも?・・・・知らんけど(笑)

再度、皮肉っぽくまとめると

海外ではダイナミックプライシング は料金が生き物のように動くのに対し、日本では法的に「±100円で勘弁してネ」という可愛らしいライト版が精一杯なので、法律と心理的ハードルのせいで、日本のダイナミックプライシングはまだ夢のまた夢、といったところの様です。👍