今回は「14段階運賃が全国に普及したら何が起きるのか?」を書こうと思おます。
とりま、昨日書いた東京島しょ地区で公示された「14段階のタクシー運賃」は、一部地域の特殊事例として見れば理解できる側面があります。
しかし本当に考えるべきなのは、万一、この考え方が全国に普及した場合、タクシー業界全体がどうなるのか?という点です。
結論から言ってしまうと、14段階運賃はアプリ配車が前提となった現在の利用環境と、決定的に相性が悪い仕組みだからです。(苦笑)
【全国に広がった場合、最初に起きるのは「利用者の混乱」】
全国で14段階、あるいはそれに近い細分化運賃が導入された場合は利用者は次の状況に直面します。
- 同じ距離・同じ時間でも地域ごとに初乗運賃りが違う
- アプリ上で表示される金額に一貫性がない
- なぜその金額なのか説明が見えない
特にアプリ配車では、一般的に「距離 × 時間 × 需要」というロジックが暗黙の前提になっています。
そこに、「地域ごとの細かな段階差」が大量に入り込むと、利用者は判断できなくなります。
結果として起きるのは、乗車する人が高いかのか安いのかが分からない → 使うのを止める・・・という、ごくシンプルな行動にでます。(苦笑)
【次に起きるのは「比較不能による不信感」】
14段階運賃が全国に広がると、アプリ上では次のような状況が生まれます。
- A市:初乗り670円
- 隣のB市:初乗り730円
- さらに隣のC市:初乗り790円
この時タクシーを利用する人は、「なぜ違うのか?」を知る術を持ちません。結果、この料金が異なる理由が人口なのか?・観光なのか?事業者の経営事情なのか?・・・・それが分からない以上、利用者の認識は一つです。
「よく分からないが、高くなっている気がする」、運賃制度においてこの感覚が広がることは致命的です。
【事業者側にもメリットは少ない】
一見すると、東京島しょ地区の様な細分化運賃は「地域事情を反映できる柔軟な制度」に見えます。
しかし全国展開した場合、事業者側にも問題が生じます。
- 説明コストが増大する
- クレーム対応が増える
- 乗務員自身が把握しきれない
- アプリ事業者との調整が煩雑になる
特に乗務員にとっては、「なぜこのエリアはこの金額なのか」を説明できないことが、そのまま現場ストレスになりますし、現在の様に100円刻みの運賃の慣れると、とりま「釣銭」の心配は格段に少なくなります。(苦笑)😊
【東京島しょ地区の14段階は「特殊解」である】
東京島しょ地区では、
- 島ごとに人口・観光・稼働が大きく異なる
- 行政としても島ごとに特性を考えて細分化された共通の運賃表を作らざるを得ない
- その結果、段階が増えた
という背景があります。
つまり14段階運賃は、理想形ではなく、調整の末に生まれた特殊解です。
これを、「柔軟な成功例」として全国に持ち出すと、制度だけが独り歩きする危険性があります。
【全国で求められるのは段階の段の多さではない】
これからのタクシー運賃に求められるのは、
- 利用前に分かる
- 説明しやすい
- 比較できる
という、ごくごく基本的な要素です。
14段階運賃は、「現場事情への配慮」はあっても、「利用者目線」が後回しになりやすい制度で、東京島しょ地区の様な特殊な環境下でしか機能しない設計です。
全国に普及すればするほど、タクシーという公共交通の分かりやすさは失われていくでしょう。
【纏めると】
14段階運賃が全国に普及した場合、
- 利用者は混乱し
- 比較不能による不信感が生まれ
- 事業者・ドライバーの負担も増える
という、誰も得をしない構造になりかねません。
東京島しょ地区の事例は、「真似るべきモデル」ではなく、「制度設計の限界を示したケース」として捉えるべきでしょう。😱

