ペーパードライバー率に見る「本当に運転している人の割合

タクシー

今回は「ペーパードライバー率に見る「本当に運転している人の割合」を書こうと思います。

免許証の色や所持率は「クルマ社会の指標」としてよく語られます。しかしそれだけでは、「実際にどれだけ人が運転しているか」は見えてきません。私はふと、「ゴールド免許保持者のうち、“普段運転していない”人はどのくらいいるのか?」と疑問を持ち、データを探ってみました。その結果、「免許証=運転している人」の前提に、かなりのズレがある可能性に気づいたのです。

【なぜペーパードライバー率が気になったのか】

前にゴールド免許者の割合が6割超というデータを紹介しました。ですが、「免許を持っている=普段運転している」とは限りません。ふと「ゴールド免許にこそペーパードライバーが多いのでは?」という疑念がムクムク湧き、それを確かめずにはいられない性分ゆえ、調べ始めた訳です。(苦笑)

【データで見るペーパードライバー率】

あるリサーチ会社が2016年に行ったネット調査(n=1,000)では、自身を「ペーパードライバーだ」と認識する人が14.7%にのぼるとの報告がありました。また、2023年に実施された別の調査では、ゴールド免許保持者のうち実に32.2%が「ペーパードライバーである」と回答しています。単純に「免許所持」の統計と、「自覚あるペーパードライバー」の割合には、思った以上のギャップがあるようです。

【ゴールド免許保持者の中身を見直す】

仮に、ゴールド免許保持者の76%がいるとして、そのうちの32.2%がペーパードライバーとすれば、ゴールド免許保持者の約24%は「免許は所持しているが実際には運転していない人」。つまり、ゴールド免許のうち“運転している人”は約3/4にとどまり、逆に言えば4人に1人が“免許だけ所持”ということになります。

【街を走る車のドライバー、その実像は?】

さらに、全体のゴールド免許保有率が66.6%とすると、単純計算ながら「街を走る車のうち、約半数は“実際に運転するゴールド免許保有者”」という割合になります。もちろんこの数値はあくまで理論値ですが、「免許所持=運転者」ではないという前提を意識しないと、車社会の議論を見誤ることになりかねません。

【免許統計だけでは見えない盲点】

ペーパードライバーという存在は、「免許を持っていること」を前提にした政策や議論において見落とされがちです。たとえば、事故率、保険、道路整備、公共交通への依存度の分析など、免許保持率だけで「運転人口」を判断すると、実態とのズレが生じる可能性があります。

【雑に纏めると】

免許証の色や所持率は分かりやすい指標ですが、それだけで「どれだけの人が日常的に運転しているか」を測るには不十分です。ペーパードライバーの割合や実際の運転頻度まで含めて考えることで、より正確に“クルマ社会の実像”を把握できます。今後の交通政策やインフラ議論では、こうした実態データにも目を向ける必要がある気がしますが?🤷‍♀️