タクシー業界の給与体系「日給月給」とは?・・・・日給制との違い

乗務員の給料

今回は「タクシー業界の給与体系「日給月給」とは?・・・・日給制との違い」を書こうと思います。

とりま、タクシー会社の求人を見ると、必ずといっていいほど「日給月給制」という言葉が出てきます。しかし、よく似た「日給制」や「月給制」との違いを正しく理解している人は意外と少ないものです。自分自身、長年日給月給=日雇いの下位互換という誤解を抱えていました。(苦笑)

実はこの三つは給与の決まり方がまったく異なり、特にタクシー業界では働き方・収入の考え方に直結します。今回は、この給与体系の違いとタクシーならではの事情を整理していきたいと思います。

【日給制とは何か・・・・「働いた日数=収入」のシンプルさ】

まず「日給制」は、いわゆる日雇い労働などで用いられる仕組みです。
「出勤した日数 × 日当」で給与が決まり、非常に明快です。

例えば日当1万円の場合、

  • 24日働けば → 24万円
  • 26日働けば → 26万円

という計算になります。

そのため、日給制には「基本給」という概念が存在しません。あくまで1日単位で労働し、その分を受け取る給与形態だからです。

【日給月給制とは・・・・欠勤・遅刻・早退で給与が減る制度】

次に比較的よく聞く「日給月給制」です。こちらは多くの企業が採用していて、タクシー会社も基本的にこの方式です。

日給制との違いは、
働いた日数で増えるのではなく、休んだ日数で減る給与体系
という点です。

例えば、基本給が「24日勤務で24万円」の場合、
1日あたりの単価は1万円。
1日休めば1万円が控除され、23万円となります。

月給形式で支払われますが、合わせて、欠勤・遅刻・早退に応じて減額される仕組みです。

【月給制との違い・・・・「欠勤しても満額」ではない】

さらにややこしいのが「月給制」との違いです。

労働基準法上、「月給」という言葉に明確な定義はありません。そのため、求人票に月給制と書かれていても、

  • 日給制の月給なのか?
  • 日給月給制の月給なのか?
  • 本来の月給制なのか?

実は企業に直接聞かないと分からないケースもあります。(苦笑)

本来の月給制とは、
欠勤の有無に関わらず決められた給与が支払われる仕組み
です。

例えばトヨタ自動車では、(期間工を除き)原則として欠勤しても一定額が支払われる 「ザ・月給制」 を採用していると言われています。

言葉だけ見ると同じ「月給」でも、制度の中身はまるで別物という点は押さえておきたいところです。

【トヨタ期間工に見る「給与形態の差」】

以前ネットでよく目にしたトヨタの期間工募集。・・・・
正社員試験の合格率は10〜20%とかなり狭き門ですが、入社祝金はなんと55万円。規模も待遇もさすがトヨタです。

一方で、タクシー業界の入社祝金は会社によって差はあるものの、ここまで高額なケースはほぼありません。
同じ「働く」でも給与体系や待遇によって印象は大きく変わります。

【タクシー会社の給与はなぜ「日給月給制」なのか】

本題のタクシー業界ですが、基本的に多くのタクシー会社が採用しているのは日給月給制です。
理由は明確で、

基本給が存在し、欠勤した日数分が控除される仕組みだから

ただし、タクシー業界の給与は一般企業と大きく異なり、歩合(売上)に強く左右されるって事が特徴です。

そのため、

  • 基本給そのものが低め
  • 有給の金額も高くない

という事情があります。

【タクシー乗務員の有給のリアル】

一般企業では「有給を使えば給与がほぼ変わらない」のが普通ですが、タクシー業界ではまったく違います。

理由は以下の通りです。

有給の単価が高くない

基本給が低いため、有給の支給額も低めです。

歩合の割合が大きい

タクシーの給与は売上が命。➡欠勤すると当然その日の売上(歩合)がまるごと消えます。

つまり、
1日休んだだけで給与が大きく減るのが当たり前。
有給を使っても、一般企業のように給与が横ばいにはならない。
っていう事です。

【纏めると、タクシーは「日給月給+歩合の世界」】

今回あらためて整理してみると、タクシー業界の給与体系は

「日給月給制」+「歩合」、という、他の業界とはまた違う特殊な組み合わせになっています。

良くも悪くも「働いた分がそのまま返ってくる仕事」それがタクシー乗務員。売上が良ければ高収入も狙えますが、休んだ分だけ収入が落ちやすい構造でもあります。

少し愚痴っぽくなったかもしれませんが(笑)、タクシー業界に興味のある人には知っておいて損のない事だと思いますが?🚕🚕🚕🚕🚕🚕