車内嘔吐2万円 ルールの広がりと業界のリアル

タクシーの話題

今回は「車内嘔吐2万円 ルールの広がりと業界のリアル」を書こうと思います。

とりまブログでも書きましたが、日交が日本交通グループは2025年11月27日に、帝都グループは2026年 1月7日に、国際自動車(km)グループは 1月16日、グリーンキャブは2026年1月5日、日付は公表されていませんがつばめタクシーと東京無線も車内嘔吐に対して2万円の賠償金を請求するそうです。

大日本帝国の内、車内嘔吐に対して賠償を求めていないのは「大和自動車」だけの様です。

この車内嘔吐の対する賠償の話、じつは日の丸交通グループが最初に打ち出していたにもかかわらず、業界全体として大きな波紋を呼ばなかった、という点が非常に面白いです。
2024年9月1日、日の丸交通は公式サイトで嘔吐によるクリーニング代12,500円・休車損害等7,500円の合計2万円の請求方針を公表していました。

ところが、これがいわゆる「業界のスタンダード」として話題になり始めたのは、つい最近の2025年11月27日に日本交通グループが同様の2万円制度を公式に発表してからです(苦笑)。
それ以降は、前記した様に東京4社の内「大和」を除く3社が賠償金2万円を請求する事を「運送約款」に追記しました。

賠償金の請求根拠は「一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款」第10条(旅客の責任)の「当社は、旅客の故意若しくは過失により又は旅客が法令若しくはこの運送約款 の規定を守らないことにより当社が損害を受けたときは、その旅客に対し、その損害 の賠償を求めます」の、」当社が損害を受けた事を根拠にしています。

これ以上この条文を深堀すると収集がつかなくなるので止めますが(苦笑)😱

日の丸と日交の施行時期の間の2015年5月16日には東京タクシーグループが「お客様による嘔吐などの迷惑行為により車両が汚損され、営業を中断せざるを得なくなった場合、運送約款第10条に基づき、車両のクリーニング代及び休車損害として、一律20,000円の損害賠償金をお客様に請求させて頂くことと致します。(原文ママ)」としています。なので、決して日交がこの問題にいち早く手を打ったという事は無い様です。

【車内嘔吐2万円の話、最初に言い出したのは日の丸だった】

最近になって、タクシーでの車内嘔吐に対して前記した様に「2万円請求」という話をよく見かけるようになりました。
いかにも「最近決まった新ルールじゃネ?」のように語られがちですが、実はこれ、最初に形にしたのは日の丸交通です。

2024年9月、日の丸交通グループは自社サイトに、「嘔吐等による営業損害の請求について」という案内を、わりと淡々と載せました。

中身はというと、

  • クリーニング代が1万2,500円
  • 休車損害が7,500円
  • 合わせて2万円

今になって見れば2万円、どこかで見たような数字草。

【でも、その時は誰も動かなかった(苦笑)】

正直なところ日の丸のこの発表が出たとき、業界はほとんど反応していませんでした。「へぇ~、出したんだ」、
「まあ、実際それくらいはかかるよね」そんな声はあっても、他社が一斉に追随するとか、大きな議論になるとか、そういうことは起きませんでした。

たぶん多くの会社が、「うちはうちでやってるし」、「わざわざ表に出さなくてもいいかな~」と思っていたはずです(苦笑)。

【空気が変わったのは、日本交通が出てから】

それから1年以上たった2025年11月。・・・・今度は日本交通が、ほゞほゞほぼ同じ内容で「車内嘔吐などによる損害賠償は2万円」と明確に打ち出しました。

するとどうなったかというと、不思議なもので、急にあちこちの会社が動き始めます(苦笑)。

「うちも規定を出しました」とか「当社も同様の対応です」・・・・まるで、合図が鳴ったかのようでした(笑)。

【中身は同じ。でも受け取られ方が違う】

冷静に見れば、日の丸と日本交通で、言っていることはほゞほゞ同じで、金額も考え方も、大きな違いはありません。

それでも結果が今回の様に日交に他社が追随して、日の丸の時と違ったのは、誰が言ったか分かりませんが、それだけです。

日本交通が言うと、「業界としての基準」、「これが標準なんだろうな」、という空気になります。・・・・知らんけど(笑)

日の丸が言うと、「その会社の方針なんだな」で終わってしまった様です。・・・・良し悪しではなく、会社が置かれている立場の違いの様です。

【実際は、昔からやっていた】

もう一つ、正直な話をすると、車内嘔吐で何も請求していなかった会社や乗務員なんて、聞いた話でほ余りありません。

  • 乗員が洗車屋に行って後処理をする
  • 乗員が帰庫して自分んで後処理をする(苦)
  • その日はもう営業できない
  • 臭いが取れなく翌日は休車になり乗務員のシフトも狂う

現場では昔からこれらは「これはさすがに・・・・・」というケースとして扱われてきました。

ただ、それを「金額を決めて、文章にして、誰でも見える場所に出す」そこまでは、どこの会社も踏み切って来ませんでした。

タクシー会社は「お客様は神様です(笑)」的なところが昔から有って、客からクレームが有ると有無を言わさず即お座敷がかかる会社もおります(苦笑)。

【日本交通がやったのは、矢面に立つこと】

今回、日本交通がやったのは、新しいルール作りというより、矢面に立つ役を引き受けた、それに近い気がします。

「叩かれる」かもしれない、「客に厳しい」と言われるかもしれない。それでも、業界をリードする立場から「もう黙って運用する段階じゃない」と判断したのかもです。・・・・知らんけど(笑)

だから他社も、「日交がそこまで言うなら・・・・」と後に続けた様です。

【2万円の話だけど、本質はそこじゃない】

この話、どうしても「2万円は高いのか安いのか?」という方向に行きがちですが、本当のポイントはそこではありません。

  • どこまでを客の責任とするのか
  • どこからを事業者が飲み込むのか
  • それを誰が表で言うのか

その線引きを、ついに日交が表に出した、という話です

【纏めると、日の丸は早すぎた。日交は遅すぎなかった】

日の丸交通の対応は、確かに早かった、でも今回の日交の件を見ると若干早すぎたのかもしれません。

日本交通は、1年以上遅れましたが、でも、今がその時だからこそ、業界が動いた・・・・同じことを言っても、言う人とタイミングで、結果はまるで違います。

今回の2万円問題は、タクシー業界の力関係とその時の車内嘔吐の空気の読み方がそのまま表に出た出来事だった・・・・・そんな気がしています。

この話が出るまでは、乗務員同士で車内で嘔吐された時に「客から幾ら取る問題」は以前から有りました。ある乗務員は5,000円、ある乗務員は10,000円、という人が自分の周りには多かったと記憶しています。
当然、会社に申告しないので所謂迷惑料的金額でした。

今回、会社が客に請求する2万円・・・・乗務員の取り分は幾ら???

これから起きそうな事は、客が車内嘔吐して乗務員が会社に黙って約款に沿った2万円請求⇒客から高いと会社にクレーム⇒乗員にお座敷がかかる(笑)


・・・・先ず、会社と乗務員に間で車内嘔吐の扱いを事前に決めておかないと・・・・とりま、どの段階の汚れやニオイで請求できるのか?が分かりません(苦笑)。1ゲロでも10ゲロでも同じか?1臭いでも10臭いでも?同じ2万円?(笑)

ほゞほゞ、車内嘔吐案件は深夜だと思うので、当直では聞いても話にならなくて草になります。😱

余談ですが、泥酔した客がコンビニ袋をマスクの様に耳に掛けて口を覆っているのを?・・・・まだましで草🤷‍♀️