自由すぎる都市型ハイヤー・・・・タクシー業界は?

タクシー料金

今回は「自由すぎる都市型ハイヤー・・・・タクシー業界は?」を書こうと思います。

とりま、以前に書きましたが、平成26年から、「都市型ハイヤー」という制度が開始されました。・・・今から11年前の事になるので、結構前から制度が有った様です。

で、都市部で「都市型ハイヤー」は増え続ける様で、その便利さや自由さ、料金設定の柔軟さに、タクシー業界の現場は少しずつ青ざめていた様です。
同じ「人を運ぶ仕事」なのに、都市型ハイヤーは定額制や時間貸しパックなど自由に料金を組める一方で、タクシーは認可に縛られ、自由に動けません。
今回は、この規制の差がタクシー業界にどれほどの危機感を与えているのかを考えたいと思います。

【タクシーはガチガチの認可制】

とりま、タクシーの運賃は国交省の認可制で、初乗り運賃や加算運賃、迎車料金など、すべて事前に承認が必要です。
値下げ・値上げ、ひとつとっても、業界・行政・2者で大騒ぎになるのが日常です。(苦笑)

自由に料金を変えられないストレスは、業界関係者なら痛いほど分かるでは?…知らんけど(笑)

一方の都市型ハイヤーの参入規制と要件は・・・・都市型ハイヤーを開業するためには、以下の要件を満たす必要があります:

  1. 営業所の設置:営業所は都市型区域内に所在し、適切な規模と法令適合性を備えている必要があります。
  2. 車両数の要件:原則として5台以上の車両を保有する必要があります。
  3. 運転者の資格:運転者は二種免許を所持し、安全教育を受けていることが求められます。
  4. 運行管理体制の整備:配車記録や運行日報など、運行管理体制が整備されていることが必要です。
  5. 運行管理者の配置:運転者とは別に、運行管理者を配置する必要があります。

これらの要件を満たすことで、都市型ハイヤーの許可を取得することが可能です。なので、新規参入が都市部でほゞほゞ不可のですが都市型ハイヤーは都市型区域内にしか開業が出来ないので、この差は圧倒的に都市型ハイヤーの方が有利な様です。

【都市型ハイヤーは高級サービスの特権】

一方で都市型ハイヤーは、予約制・定額制が前提なので料金設計は比較的自由で、ハイヤーと都市型ハイヤーも違いを超雑に纏めると、ハイヤーと都市型ハイヤーの違いは、営業区域の制約と契約時間の条件にあり、都市型ハイヤーは都市部でのみ営業が許可され、利用は2時間以上の専属契約が必要です。一方、ハイヤーは営業区域の柔軟性が高いですが、都市部ではタクシーと同様の総量規制により新規参入が極めて困難です。

都市型ハイヤーは空港送迎の定額制や時間貸しパックなど、利用者に分かりやすいメニューを次々と打ち出せます。
なので「客のために柔軟に」とタクシ―業界が長年願ってきたことが、都市型ハイヤーだけに許されているかのようです。(苦笑)

【不公平感が危機感に直結か?】

タクシー業界の本音は至ってシンプルで、「我々タクシー業界はは認可に縛られ、料金の自由はゼロ」・・・・なのに都市型ハイヤーは高級サービスを盾に自由に運賃を設定でき、結果、法人客やインバウンドのおいしい需要は都市型ハイヤーに奪われ、タクシーが危機感を持たない方が不自然でしょう。

極論ですが、羽田空港パックを5,000円とすれば、2時間以内ならいくら乗っても料金は5,000円で固定されるので制度的には問題が有りません。(苦笑)

【纏めると】

都市型ハイヤーは、

  • 流し営業はできない代わりに、料金の自由度を手に入れた。
  • タクシーは流し営業できても、料金は認可に縛られる。

利用者目線では上記した様に都市型ハイヤーの「分かりやすいパック定額サービス」と、タクシーの「複雑で分かりにくいメーター制」の差が明確です。
この差が積み重なれば、タクシーは安売り合戦に陥り、都市型ハイヤーは高級ブランド路線・・・・
これが、タクシー業界が青ざめる理由の様です。(苦笑)😢