今回は「全タク連ケア輸送委員会でUDタクシー「後乗り化」でJPN TAXIの立ち位置が揺らぐ?」を書こうと思います。
とりま、最近、全国ハイヤー・タクシー連合会のケア輸送委員会が、「UD(ユニバーサルデザイン)タクシーを後乗りタイプに移行する」との方針を打ち出しました。
一見、技術的な話に聞こえるますが、この一言がタクシー業界、特にトヨタのJPN TAXIの存在意義に波紋を広げているようです。
これまで「UD=JPN TAXI」というほど、JPN TAXIは誰でも使える万能車としてタクシー業界の主役を張ってきましたが、だが、その「万能」という看板が、いま少し曇り始めている様です。
【これまでのJPN TAXIは「万能型UDタクシー」】
JPN TAXIは、トヨタが国交省とともに普及を進めたUDタクシー認定車両です。側面スロープで車いす乗車ができ、フラットな床構造、大きな荷室、そして一般乗客にも快適な内装です。
つまり「高齢者も観光客もビジネスマンも、みんな快適に乗れる車両」、それがJPN TAXIのセールスポイントで、全国の新車導入の約8割を占めるほど「標準仕様車」になってきました。
この車の登場で、UDタクシーは特別な福祉車両から普通のタクシーへとイメージを変えた功績があるのは事実です。
まさに、「一般利用+UD=JPN TAXI」という公式が、これまでの業界常識でした。
【ケア輸送委員会の「後乗り化」方針とは?】
ところが、今回の全タク連・ケア輸送委員会が出した「UDタクシーは後乗りタイプへ移行」という声明が、この構図を変えそうです。
この「後乗りタイプ」とは、車いす利用者が車両後方からそのまま乗車できる構造を指すようです。従来のJPN TAXIのように、側面スロープから横向きで乗り込み、限られたスペースで向きを変える形ではなく、介助者とともに後方から真っすぐ乗車・固定できるスタイルで、該当する車両は最近問題が多い(苦笑)日産のセレナeパワーが該当する様ですがあとの車両は調べていません(笑)
要するに、UDタクシーを「誰でも乗れる車」ではなく、「介護・福祉向けに特化した車」として再定義しようという動きの様です。
【JPN TAXIの万能に陰り?】
皮肉なことに、JPN TAXIが万能車を名乗ってきたことが、ここにきて裏目に出た格好の様です。
というのも、「何でもできる車」は裏を返せば「専門性がない車」でもあります。(苦笑)
後乗りタイプのUD化が進めば、JPN TAXIの側面スロープ構造方式は、ケア輸送の現場では中途半端な車両に映る可能性があります。付き添い介助・車いす固定・安全確保という観点では、後方乗車型の方が合理的だからだからです。
つまり、今後のUDタクシーが「ケア輸送専用」として独立すれば、JPN TAXIは「一般タクシー+軽度バリアフリー対応」という「準UD車」のような立ち位置に後退することになります。(苦笑)
【業界構造も二極化へか?】
この流れが現実になれば、タクシー事業者は2種類の車両を使い分ける時代に入る事になるでしょう。
- 一般利用・観光・空港送迎 → JPN TAXI
- ケア輸送・介護送迎 → 後乗り型UD車両
今迄、JPN TAXI一択で済んでいた導入計画も、今後は「どの用途でどの補助金を受けるか」を細かく判断する必要が出て来ます。
自治体の補助金制度や国のUD認定基準も、今後は「後乗り型」を優先するよう見直されるかもしれません。・・・知らんけど(笑)
【トヨタも再対応が迫られるのか?】
この方針が本格化すれば、トヨタとしても「JPN TAXI後乗り仕様」のような新型車を開発する必要に迫られるカモ?です。
現行モデルでは「介助スペース」、「スロープ角度」、「後方固定」などが十分ではなく、ケア輸送用途の最低限の要件だけ」を満たしにくいからです。
つまり、JPN TAXIが築いてきた「UD=この車」というブランド神話は、再設計を求められる可能性がる様です。
これも皮肉な話ですが、ユニバーサルデザインを掲げたジャパンタクシーが、最終的に用途限定車”追い込まれる、、って事が今の流れの様です。
【纏めると、万能車時代の終焉か?】
今回の「後乗り化方針」は、タクシー業界のUDタクシー観を根底から見直すきっかけになりそうです。
これまでJPN TAXIが象徴してきた「みんなの車」は、これからは「用途別の車」に分かれて行きます。
ジャパンタクシ-=万能車の時代が終わり、分化の時代へ移行して、UDタクシーの理念そのものは進化していますが、その結果、JPN TAXIが少し肩身の狭い立場になるというのも、なんとも業界らしい皮肉っくった話の様です🤷♀️

