今回は「NearMeのミッドナイトシャトルの運行結果を見て、少し引っかかった話」を書こうと思います。
とりま、何回か書いていますが、空港相乗りサービスをメインとして相乗りサービス=エアポートシャトルを行っている株式会社NearMeは、国土交通省が事業実施主体である地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS」=コモンズにおいて受託開発を行った「リアルタイム相乗りマッチングシステム」を活用した『ミッドナイトシャトル渋谷』と『ミッドナイトシャトル三鷹』の運行を、2024年〜2025年頃にかけて実証実験として実施されていた様です。
で、最近、ミッドナイトシャトル渋谷とミッドナイトシャトル三鷹の運行結果が公表されました。
数字だけ見ると「結構うまくいっているのかな?」という印象を受けました。ただ、少し中身を見ていくと、どうもその印象に引っかかる部分がありました。
所謂、数字の「見せ方」と現実のずれです。
【「伸びている」という数字の見え方】
ニアミーが公表している運行結果を見ると、「138%アップ」など、いかにも順調に伸びているような印象を受けます。数字だけを見ると、かなり成功しているようにも感じます。
ただ、こういう“%の数字”は、どうしても印象が先行しがちです。ニアミーが公表してる数字の三鷹駅が、実際には1.3人が1.8人になった、という話で、確かに増えてはいるものの、爆発的に伸びたというほどでもなく、微妙に伸びた程度です。(苦笑)
【実態に近いのは「人数」】
むしろ気になるのは、1回あたりの乗車人数です。
渋谷で1.6人、三鷹で1.8、これを見ると、まだ「相乗りがうまく機能している」とは言いづらい水準です。ほぼ1人利用に、たまにもう1人乗るくらいのイメージでしょうか?。
このサービスの本質は「何人で乗れるか≓1台のたクシーを何人でシェア出来るのか?」なので、ここが伸びないと効率は上がりません。
【サンプル数の少なさ】
さらに気になるのがサンプル数です。
渋谷でN=50、三鷹でN=20。統計的に見ると、どちらもかなり少ない部類に入ります。特にN=20は、ちょっとした偶然で結果が大きく動いてしまうレベルです。
例えば、数回だけ3人乗りが続けば、それだけで平均値は一気に上がります。
【「本当に増えたのか?」は別問題】
今回のように、1.3人から1.8人に増えたという変化も、サンプル数が少ないと「偶然のブレ」の可能性を否定できません。
本来であれば、ばらつき=標準偏差や信頼区間を見ないと、「統計的に意味のある増加かどうか」は判断できないはずです。
そこが示されていない以上、「増えているように見せる」以上のことは言えません。
【なんとなく感じる違和感の正体】
こうして整理してみると、
・%だけは大きく見える
・サンプルは少ない
・実数はまだ低い
という状態です。
つまり、「間違ったことは言っていないけれど、良く見えるように切り取っている」という構図です。
【纏め】
今回のデータは、試みとしては面白いですし、「少し手応えがある」段階なのかもしれません。
ただし、統計的な信頼性という意味ではまだ圧倒的弱く、「成功」と言い切るには材料不足、というのが正直なところです。
数字を見るときは、今回の様に%だけでなく「元の値」と「サンプル数」、この2つを一緒に見るだけで、印象はだいぶ変わります。

