今回は「なぜ日本型ライドシェアは「週20時間未満」なのか」を書こうと思います。
とりま、日本型ライドシェア=NRSの求人を見ると、やたらと「週20時間未満」という条件が目につきます。
なぜ20時間なのでしょか?・・・・中途半端にも見えるこの数字には、実はかなり日本的な事情がある様で、そのポイントは「労働時間の通算」と「社会保険」の二つです。
【労働時間は会社ごとではなく“通算”される】
まず押さえておきたいのが、日本の労働基準法の考え方です。労働時間は会社ごとではなく、労基法では労働時間が通算されるのが原則です。法定労働時間は週40時間で、本業で40時間働いている会社員が、副業でさらに働けば、その時間は合算されます。
つまり、本業40時間+ライドシェア10時間なら、10時間分は時間外労働扱=残業扱いで、本来は副業先=タクシー会社が25%以上の割増賃金を払う必要があります。
理屈としては可能です。・・・・ただ、実際には本業の正確な労働時間を毎週把握するのは簡単ではありません。計算を誤れば法令違反のリスクもあります。
タクシー会社にとっては、そこまでしてフルタイム会社員を雇うメリットはあまり大きくない、というのが本音でしょう。
【もう一つの壁、社会保険の20時間ライン】
次に出てくるのが社会保険です。一定の条件を満たすと、週20時間以上働くパートやアルバイトは厚生年金や健康保険に加入しなければなりません。又、会社=タクシー会社は保険料の半分を負担します。
ドライバーが増えれば増えるほど、この負担はじわじわ効いてきます。だから企業側としては、できるだけ「週20時間未満」に収めたい。20時間という数字が意識される最大の理由はここにあります。
【日本型は雇用型という前提】
海外のUberのように、個人事業主として自由に働く仕組みとは違い、日本型ライドシェアはタクシー会社が雇用する形が基本です。雇用である以上、労基法も社会保険もフルに適用されます。
この違いは大きく、安全性や管理体制を重視した結果ですが、その代わりに制度の制約も丸ごと背負うことになるのが雇用契約です。
【サラリーマンお断りなのか?】
「週20時間未満」という設計を見ると、フルタイム会社員をやんわり断っているようにも見えます。確かに、本業で週40時間働く人は制度上かなり扱いにくい存在です。割増賃金の問題もあるし、通算管理も難しいのが現実です。
ただ、最初から排除するというより、「制度とコストを考えたら自然にこうなった」というほうが実態に近い気がします。結果的に今の様にライドシェアドライバーの主な対象は主婦やシニア、短時間勤務者、自営業者などになりやすいわけです。
【20時間という落としどころ】
結局のところ、20時間というラインは偶然ではなく、以下の様な事が原因の様です。
・40時間通算を超えやすい正社員は扱いづらい
・20時間を超えると社会保険の負担が出てくる
この二つを同時に考えると、「週20時間未満」という条件は、企業側にとって一番リスクが少ない落としどころになります。
日本型ライドシェアは、日本の労働法と社会保険制度の枠の中で作られた仕組みです。だからこそ、その20時間には、日本的な制度設計の影がはっきりと映っている様です。😱
