今回は「 GOが最初の提携先にUberを選ばなかった理由」を書こうと思います。
とりま、GOは東南アジアの日々の生活に欠かせないスーパーアプリ『Grab』との連携を2022年7月8日(金)より開始しました。
この時、「っん?ウーバーじゃ無くて何故グラブ?」と思った記憶が有ります。
日本のタクシー配車アプリ市場を見渡すと、GO は早い段階から前記した様に海外連携を進めてきました。
一方で、世界的に圧倒的な存在感を持つ Uber とは距離を保ち続けています。直感的には「なぜ組まないのか」と感じるところですが、その裏にはかなり現実的で冷静な判断がある様です。
その結果、 S.RIDE は海外配車アプリ連携サービス「S.RIDE Global Roaming」の連携を広げ、第2弾として、世界70カ国以上で展開される「Uber」とのタクシー配車連携を開始するそうで、「Uber」を通じた訪日外国人の配車依頼の一部に対応するそうで、2026年5月より横浜エリアでの提供を開始するそうです。
因みに、第1弾は2026年2月に東京特別区・武三地区で提携を始めた・・・・DiDiだったそうです。
【主導権を渡さないための距離感】
まず大きいのは、主導権の問題です。Uberは単なる配車アプリではなく、ユーザー接点や決済、評価といった体験のすべてを握る構造になっています。
この中に入ると、GOは裏側の供給者に近い立場になりやすく、これは便利さと引き換えに、顧客との直接的な関係を手放すことでもあります。
国内で積み上げてきたネットワークを考えれば、「あえてそこに入る必要はない」という判断はむしろ自然ですし、今勝っている側ほど、こういう選択には慎重になります。
【競争相手と組む難しさ】
もうひとつ現実的なのは、シンプルに競合だという点です。Uberは日本でもサービスを展開していて、ユーザーを取り合う関係にあります。
この状況で深く連携すれば、短期的には利便性が上がっても、中長期的には自分の顧客基盤を削る可能性があります。
特に配車アプリはどのアプリを開くかがすべてなので、その入口を他社に委ねるリスクは小さくは無く、結局のところ、「一緒にやると楽そう」に見えても、長い目で見るとコントロールを失う怖さの方が大きいのです。
【Uberなしでも成立する導線】
ではなぜそれでも海外連携が進められたのかというと、別ルートを持っていたからです。
決済サービスや旅行系プラットフォームとの連携によって、訪日客を日本のタクシーに誘導する仕組みは作れます。
つまり、Uberという巨大な入口に頼らなくても、「来る人は来る」状態をGOは作れます。
この違いは大きくて、「必要だから組む」のではなく「ウーバーが無くても回る」という前提があると、交渉のスタンスもまったく変わります。ここは戦略というより、地味ですが効いてくる部分です。
【今後は変わるのか】
とはいえ、この距離感がずっと続くとも限りません(苦笑)。
インバウンド需要がさらに増え、「Uberでしか動かない層」を取り込みきれなくなれば、部分的な連携は現実味を帯びてきます。
ただその場合でも、全面的に依存する形にはならず、エリア限定や機能限定のようなゆるい接続にとどまる可能性が高いでしょう。・・・知らんけど(笑)
結局のところGOにとって重要なのは、インバウンドでの便利さよりも主導権です。この軸が変わらない限り、関係性も大きくは変わらないはずです。

